Første gang jeg ville forlate deg(はじめて君のもとを去ろうとした時のこと)
詩 :Håvard Rem. 訳:Tomoko
はじめて僕が君の元を去ろうとしたのは、
ある一つの星を見たからだった。
でも、僕は君の元を去ることなく、
星は彼方へと去っていった。
今、僕が君の元を去るにあたって、追い求めているのは
他でもない、あの時見た記憶の中の星なんだ。
僕はあの星を見ることはできないけれど、
でも、覚えているんだ。
覚えていると思う。
時折、僕はそれを見ていたんだ。
ほんの僅かな間だけど。
その時、僕は若くてメランコリックで、
冬用の長いコートに身を包んで
島々と大陸の間の氷の上へと出かけたんだ。
考えるために。星を見るために。
僕は空を見上げて、
星を見つめていた。
そこには、たくさんの星が明るく瞬いていた。
空をみあげたまま、目を閉じれば
星もまた、暗闇に消えてしまうけれど
突然、姿を現したんだ。
僕は見る。
ほんの一瞬、少しの間に、たくさんの星を。
明るく瞬く星々を。
その時だけ、見ることが出来たんだ。
それは何度も繰り返すことはなかったけれど。
でも、僕は、その奇跡的な一瞬で、星を見ることが出来たんだ。